« AngleSharpでHTMLファイルを更新する | トップページ | Google の Cloud Translation API Advanced Service (v3) って昨日は不調でしたか? »

2024年10月 1日 (火)

git の「ワークツリー」という用語

日本語で git のことを解説している記事を読むと、初心者向けのものも、かなり高度な内容のものも、だいたいどれも「ワークツリー」という用語を使っているようだ。記事によっては「作業ツリー」になっている場合もあり、また work tree とアルファベットで書いている場合もあるが、アルファベット表記の場合は worktree と一語で書いている記事と work tree と二語で書いている記事が両方あるようだ。

それで、本来英語ではどういうのかと思って git の公式の (英語の) ドキュメントを調べた。そうしたら、なんと、work tree でも worktree でもなくて working tree と呼ぶのが正しいようだった。

びっくりだ。

git のコマンドには、git worktree というものがあって、これは一語の worktree が正しいサブコマンド名。また、git が受け付ける共通オプションの中に --work-tree= というものがあって、これは work tree と二語で書く (ものを、単一のオプション名にするために間にハイフンを入れる) のが正しい。コマンドとしてはそれが正しいのだが、ドキュメントの説明の文章が、それを指す言葉としては、worktree とか work tree とかは使われてなくて、一貫して working tree という言葉を使っているのだ。少なくとも、git の公式ドキュメントは。(The Git Reference Manuals も、Pro Git も。どちらも英語版。) 

それで、Reference Manual はだいたいどれも公式の日本語訳があったなと思って調べたところ、どうやら公式訳は「作業ツリー」と訳しているようだった。ただ、一か所だけ、用語集が「作業ツリー (working tree)」と英ママ (というか、対訳?) で書いている。

ということで、git のこの用語は、英語は「working tree」で、日本語は「ワークツリー」または「作業ツリー」ということらしい。


なぜ、英語の working tree をカタカナで書くと「ワーキングツリー」ではなくて「ワークツリー」になるのか。

すぐに思いつくのは、コマンドに出てくるのが worktree と work-tree なので、それが正しい用語だと思い込んでしまった、というもの。また、英文の公式ドキュメントを読まずに、日本語の解説記事ばかり読んでいるとどれも「ワークツリー」と書いてあるので、それを覚えてしまう人が続出して広まった、というもの。ストーリーとしてはもっともらしい。

でも、意図的にそうしている可能性もあるかもしれない。それは、世の中には英語からカタカナ表記を作る際の「ルール」みたいなものがあって、その中に「~ing は省く」みたいなのがあった気がするからだ。(「あるからだ。」と書こうとしてウェブで調べたが、そのルールを発見できなかった。なので「気がするからだ。」と書いた。私の思い込みかもしれない…。)

実際はどういう理由なのだろうか?

 

« AngleSharpでHTMLファイルを更新する | トップページ | Google の Cloud Translation API Advanced Service (v3) って昨日は不調でしたか? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« AngleSharpでHTMLファイルを更新する | トップページ | Google の Cloud Translation API Advanced Service (v3) って昨日は不調でしたか? »