エクセルの「区切り位置」という機能
マイクロソフトのエクセルには「区切り位置」という機能がある。いわゆるCSVのように、項目をコンマとかタブとかで区切って並べたテキストファイルの各行がまとめて一つのセルに入ってしまっているものを、項目ごとにバラして複数の列に入れ直す機能だ。(この機能についてちゃんと知りたい人はネットで検索すれば、解説記事が大量に見つかる。)
これはかなり昔からある機能で、便利なので私もときどき使うのだが、「区切り位置」という名前が直観的でなくて覚えられず、使うたびにメニュー (リボン) のどれだったか分からなくて毎回苦労する。この機能を使うときには「区切り位置指定ウィザード」というダイアログが開いて、どうやって各項目を切り分けるのかを選ぶようになっている。おそらく、それが「区切り位置」という名前の理由なのだろうと思ってはいた。この命名センスはどうなのかともずっと思っていた。(そんなことを考えているのに「区切り位置」という名前が覚えられないのもちょっとアレだが。)
ところで、Google Spreadsheetにも同じ機能があるのだが、そちらは「テキストを列に分割」という名前になっている。こっちの方がずっと分かりやすいし、機能の存在を知らない人がたまたまメニューで見かけても、何をやる機能か予想がつくんじゃないかと思う。(「区切り位置」の機能は、名前か想像するのは難しいだろう。)
それで、私は「マイクロソフトの (またはエクセルの) 開発チームの命名センスは変わっているのだろうな」と思っていた。ずっと。でも、そうじゃなかった。
今朝気づいたのだが、エクセルの英語版では、この機能は「Text to Columns」という名前だったのだ。つまり「テキストを列に」だ。分かりやすい。
つまり、命名センスがおかしいのは、エクセルの開発チームじゃなくて、エクセルのUIを日本語に訳した人だったのだ。ってゆーか。英語の「Text to Columns」という言葉を見て、それをそのまま翻訳したら、「区切り位置」にはならないよね。絶対に。だからこれは「単純に『テキストを列に』なんて訳しても、日本語圏の人には意味が分からないだろう。言葉を訳すんじゃなくて、内容が伝わるように分かりやすく言い直そう。」と考えた上での訳としか思えない。思えないのだが… これって分かりやすくなっているどころか、意味不明になってますよねえ。
いったいどうしてこういうことに…。
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